同梱物に入れてはいけないもの|楽天・Amazon・Yahoo!の規約と景品表示法・信書のルール
同梱物で必ず避けるべきなのは、①レビューと引き換えの特典 ②取引価額の20%を超えるおまけ ③医薬品・化粧品の効能をうたうチラシ ④モール外への誘導の4つです。加えて、封をした手紙を宅配便の荷物に入れると「信書」のルールに触れます。
この記事では、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの公開ガイドライン、消費者庁の景品規制、総務省の信書の指針という一次情報だけを使って整理します。公開情報で裏が取れなかった点は「確認できなかった」と正直に書き、代わりに各モールでの確認手順を示します。
同梱物とは?納品書・添え状との違い
同梱物とは、商品を発送するときに商品と一緒に箱へ入れる、商品以外の印刷物やノベルティの総称です。納品書や請求書のように取引上の必要で入れる書類と、サンキューカード・チラシ・おまけのように販促目的で任意に入れるものに分かれます。ルールに触れやすいのは後者で、この記事が扱うのも主に後者です。
同梱物に入れてはいけないもの6つ
| 入れてはいけないもの | 理由 | 根拠 |
|---|---|---|
| レビューと引き換えの金銭・ギフト券・おまけ・抽選券 | 各モールが対価によるレビュー獲得を禁止 | 各モールのガイドライン(後述) |
| ★の数や書く内容を指定したレビュー依頼 | その投稿が「事業者の表示」になり広告表示が必要 | 景品表示法(ステマ規制) |
| 取引価額の20%(1,000円未満は200円)を超えるおまけ | 総付景品の上限を超える | 景品表示法の景品規制 |
| 医薬品・化粧品等の効能効果をうたう表示 | 虚偽・誇大な記述の禁止対象 | 薬機法第66条 |
| モール外・自社サイトへの誘導 | 楽天は禁止事項として明示 | 楽天市場の出店注意事項 |
| 封をした手紙・独立した書状(宅配便の場合) | 信書は郵便・信書便でしか送れない | 総務省の信書指針 |
① レビューと引き換えの特典|3モールの規約
まず押さえるべきは、レビューをお願いすること自体はどのモールでも禁止されていないという点です。禁止されているのは対価との交換です。
| モール | 公開ガイドラインで禁止されている内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 楽天市場 | 商品代金の返金(一部返金を含む)やその他報酬を条件としたレビュー投稿を、禁止行為として明記。 | 【みんなのレビュー】投稿ガイドライン(楽天市場) |
| Amazon | 金銭の支払い(現金やギフト券を含む)、特典の商品やおまけ商品の送付、景品の抽選や懸賞への参加などでレビューを促すこと。公式の依頼手段は「レビューをリクエスト」(配送後5〜30日に1注文1回)。 | Amazonカスタマーレビュー完全ガイド(Amazon公式) |
| Yahoo!ショッピング | 「方法のいかんを問わず、出店者または商品等の評価を不当に向上または低下させてはなりません」。 | Yahoo!ショッピングガイドライン |
したがって同梱物に書けるのは、対価に触れずに感想を求める一文だけです。文例はサンキューカードの文例集にまとめています。
「★5つでお願いします」がなぜ危ないのか
消費者庁のQ&Aでは、★★★★★など特定の評価やコメント内容を指定してレビューを依頼した場合、事業者が内容を左右しているため、その投稿は「事業者の表示」に当たり「広告」「PR」等の明示が必要になるとされています。逆に、内容を指定せずに次回使えるクーポンを渡す場合は、通常「事業者の表示」には当たらず告示違反にはならないと考えられる、とも示されています(ステルスマーケティングに関するQ&A(消費者庁)のQ6・Q7)。分かれ目は対価の有無ではなく内容を指定したかどうかです。ただしモールの規約は景品表示法とは別なので、出店中なら厳しいほうの基準(対価を出さない)に合わせてください。
② おまけ・ノベルティは「総付景品」|上限は取引価額の20%
総付景品とは、懸賞によらず、購入者や来店者にもれなく提供する景品類のことです(総付景品について(消費者庁))。購入者全員の箱に入れるノベルティはここに当たります。上限は次のとおりです。
| 取引の価額 | 景品類の最高額 |
|---|---|
| 1,000円未満 | 200円 |
| 1,000円以上 | 取引の価額の10分の2(20%) |
商品価格別の上限(計算例)
| 商品価格(取引の価額) | 同梱できるおまけの上限 |
|---|---|
| 800円 | 200円 |
| 1,500円 | 300円 |
| 3,980円 | 796円 |
| 9,800円 | 1,960円 |
| 19,800円 | 3,960円 |
もうひとつ注意したいのが、中身に差のあるおまけをランダムに入れると「懸賞」扱いになる点です。消費者庁は、景品類に差があり消費者が選べず、どれをもらえるか分からない場合はくじの偶然性が入るため一般懸賞の規制が適用されるとしています(総付景品について(消費者庁))。「何が入っているかはお楽しみ」という見せ方は、上限の考え方ごと変わるので避けるのが無難です。
クーポンや値引きは景品類に当たるのか
消費者庁は、正常な商慣習に照らして適当と認められる値引き・アフターサービス・付属物は景品類に当たらないとしています(景品規制について(消費者庁))。次回使えるクーポンは値引きとして扱える場合が多い一方、条件の付け方によっては値引きと認められないこともあります。高額な割引を同梱する場合は、金額と条件を決める前に確認してください。
③ 手紙を同梱すると宅配便で送れないのか|信書のルール
信書とは、特定の受取人に対して差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書のことです。信書は原則として郵便または信書便でしか送れません。ここで多くの店が迷うのが、サンキューカードは信書なのかという点です。
総務省の指針は「貨物の送付と密接に関連し、その貨物を送付するために従として添付される無封の添え状・送り状は、信書に該当しますが、貨物に添えて送付することができます」としています(「信書に該当する文書に関する指針」Q&A集(総務省))。つまり、添え状の範囲に収まっていれば宅配便の箱に入れて問題ありません。
実務上の3つの条件
- 封をしない:封筒に入れて封をした手紙は添え状の範囲を超えます。カードはそのまま、または開いた状態で入れる。
- その荷物に関する内容にとどめる:購入のお礼、商品の取り扱い、連絡先。
- 独立した書状にしない:その荷物と無関係な案内、個別の督促や請求は添え状ではありません。
前回の記事で紹介した50文字以内のサンキューカードは、この3条件をすべて満たします。文字数を絞ることは、信書のリスクを避けることにもつながっています。
④ 効能効果をうたうチラシ|薬機法第66条
薬機法第66条は「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」と定めています(医薬品医療機器等法(抜粋)/東京都保健医療局)。同梱するチラシやカードも「記述」に当たり、社内向けの手書きだから対象外ということはありません。
化粧品・健康食品の同梱物では、効果ではなく使い方・保管方法・合わないときの対応を書くと決めておくと、担当者が変わっても表現が危険な方向に振れません。
⑤ モール外・自社サイトへの誘導
楽天市場は、出店者向けの注意事項ページで「他サイトへの誘導」を禁止事項の項目として挙げています(出店審査や規約、取扱商材の注意事項(楽天市場出店))。詳細は同ページからダウンロードできる「出店規約・ガイドライン」「店舗運営ガイドライン」のPDFに定められているため、同梱物にURLやQRコードを入れる前に必ず原文を確認してください。
一方でAmazonとYahoo!ショッピングについては、同梱物そのものを扱った条文を公開ページでは確認できませんでした。両社とも出店者向けの詳細な規約はログイン後のヘルプにあります。この記事は確認できたことだけを書く方針なので、ここは断定しません。「Amazonは同梱物に○○を入れてよい」と根拠なく書いてある記事を、そのまま信じないでください。
出店中のモールで自分で確認する手順
- 楽天市場:RMSにログイン →「店舗運営Navi」やガイドラインのPDFで確認。あわせて上記の公開ページのPDFも読む。
- Amazon:セラーセントラルにログイン → ヘルプで「出品者の禁止活動および行為、ならびに遵守事項」を開く。
- Yahoo!ショッピング:ストアクリエイターProにログイン → ガイドライン・ヘルプを確認。
- 検索語は「同梱」「同封」「販促物」「誘導」「インサート」の5つを試す。表記ゆれで引っかからないことが多い。
同梱物チェックリスト
- レビューの見返りに金銭・ギフト券・おまけ・抽選券を渡していないか
- ★の数や書く内容を指定していないか
- おまけの金額が取引価額の20%(1,000円未満は200円)以内か
- 中身に差のあるおまけをランダムに入れていないか
- 化粧品・健康食品で効能効果を書いていないか
- 宅配便で送る箱に、封をした手紙や独立した書状を入れていないか
- モール外へのURL・QRコードについて、出店規約の原文を確認したか
- 印刷済みの在庫に、変わりやすい数字や日付を刷り込んでいないか
よくある質問
サンキューカードは信書に当たりますか
総務省の指針では、貨物の送付に従として添付される無封の添え状・送り状は信書に該当するものの、貨物に添えて送付できるとされています(「信書に該当する文書に関する指針」Q&A集(総務省))。封をせず、その荷物に関するお礼と商品説明にとどめれば、宅配便の箱に入れて問題ありません。
同梱物の管理を物流代行に任せている場合はどうすればいいですか
倉庫に置く前に、この記事のチェックリストで自社側が判定してください。封入作業を委託していても、同梱物の内容を決めているのは出店者です。委託先に渡す指示書には、封をしないこと・差し替えのタイミング・在庫の残数を明記しておくと、規約が変わったときの回収が早くなります。
手書きのサンキューカードを外注する場合
同梱物のルールを一通り整理したうえで、お礼のカードを手書きで用意したい場合は、当社が運営するヒツマルをご検討ください。ロボットが本物のペンを持って1枚ずつ書く代筆代行サービスで、1時間に5,000枚、1枚66円(100枚〜)から50,000枚以上で9円(いずれも税込)、代筆開始から最短7営業日で発送です。メッセージは句読点を含めて50文字以内、用紙は上質紙180kg、送料は1箱1,320円(税込)からで1箱に約10,000枚まで入ります。お支払いは銀行振込の前払いのみです。当社が用意した文面でのサンプルもご請求いただけます。

